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孤高の山猫スナイパー

尾形オガタ百之助ヒャクノスケ

尾形オガタ百之助ヒャクノスケ』とは?

漫画『ゴールデンカムイ』において、主人公・杉元佐一の次に人気を博すキャラクターです。
「山猫」「スナイパー」「頬の手術痕」「ツーブロック」「マント」「色白」「暗い過去」「脱走兵」等々
とにかく設定が盛り沢山の人物であります。このページでは、そんな彼の魅力を
「容姿(見た目がいい)」「能力(能力がすごい)」「行動(行動が愛しい)」「過去(ダークな過去)」の4つの項目に分けて自分なりにまとめてみました。

このサイトは、私がWEBデザインの勉強のために制作した私的なファンサイトです。更新するかも。
まだ単行本化されていない本誌最新話までのネタバレを含み、完全に一個人の感想により構成されています。

『ゴールデンカムイ』とは?

『ゴールデンカムイ』とは、野田サトルによる日本の漫画で、明治時代末期の北海道・樺太を舞台にした、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画です。
『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、2014年8月21日から連載中、 累計発行部数はコミックス第18巻の発売時点で1000万部を突破。
第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞
2018年にテレビアニメ化。シーズン2まで放送され、2019年にシーズン3の制作が発表されました。

~あらすじ~
舞台は気高き北の大地・北海道。時は、激動の明治時代後期。
日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元は、ある目的の為に大金を欲していた・・・。
一攫千金を目指しゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、
網走監獄の死刑囚が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった!!?
雄大で圧倒的な大自然! VS凶悪な死刑囚!! そして、純真無垢なアイヌの少女・アシリパとの出逢い!!!
莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開けるッ!!!!
(『ゴールデンカムイ公式サイト』より)

尾形の魅力の数々

(画像クリックで各詳細へ飛びます)

見た目がいい

能力がすごい

ん猫ちゃん!猫ちゃん!

ダークな過去

Looks / 見た目がいい

尾形の魅力を挙げていく上で欠かせないのが、その容姿についてであります。
 まず初めに印象的なのがその”目”でしょう。
黒く縁取られた大きなアーモンド形の目、重い瞼(おそらく奥二重)、その中心にあるハイライトの差さない暗い瞳(1巻尾を除く)。 後述しますが、時折見せる「猫っぽいシーン」では、瞳の形がコロコロ変わり、まさに猫ちゃんのお目目のようで、実に実に愛らしいです。 ですが基本的に動きがあまりなく、何を考えているのか見ている人間に感情を読ませない目であり(おそらく眉がほとんど動かないせい)、 ミステリアスな魅力があります。
(個人的に彼の目のモデルは 長谷川好道 じゃないかと妄想してます。右目の形そぉっくり)  

目だけではありません。

 軍で鍛えたバキバキの筋肉、しっかりした顎のエラ骨には戦った怪我の手術痕、 初登場からずっと生やしている髭、坊主頭やツーブロックといったワイルドな髪形など、男らしい要素がふんだんに盛り込まれている尾形。 こんなに雄雄しいのにもかかわらず・・・
 卵のような凹凸が少ない顔の造り、不健康そうな程の真っ白な肌(白石曰く「いつも悪い」顔色。ブルベの色白?) スッと綺麗に通った鼻筋、烏の濡れ羽色の艶々な髪、時折見せる色っぽい流し目・・・などなど女性的な特徴も数多く併せ持っています。

 中性的に男女の魅力を一身に纏う、色気にあふれたエロの化身、それが尾形百之助なのです。

Skill / 能力がすごい

ゴールデンカムイにおいて,「尾形百之助」と言えば狙撃、「狙撃」と言えば尾形百之助であります。
「並みの兵士では百メートル先となると相手に致命傷を与えるのは難しい
        でも俺は三百メートル以内なら確実に相手の頭を撃ち抜ける」(5巻抜粋)
この尾形自身のセリフが部下に対する見栄ではないことを、我々読者は数々の狙撃シーンの度に、強烈に目の当たりにしていきます。
離れた位置から敵の双眼鏡のレンズを撃ち抜き、極寒と暴風の中で野生の鹿の頭を一発の銃弾で2頭同時に撃ち抜き、 暗闇で何も見えない中、敵のうめき声一つでヘッドショットを決め、遥か遠方にある森に潜伏する敵に銃弾を命中させる(それも腹部を狙って命中)などなど、 その人間離れした視力と狙撃スキルは正に超一流のスナイパーであることを次々と証明していくのでした。
(あくまで”でした”・・・尾形は今後どうなっていくのか・・・)

また、見逃すことの出来ない能力の一つに「戦場における指揮管理能力」があります。たまに「説明しよう!」要員的な台詞の長いシーンもありますが、普段大きな声を出すこともなければ、そもそもあまりセリフもない尾形 。 そんな彼ですが、参加しているほとんどの戦闘シーンで、仲間に声を張って「指示」を出しています。
再登場時の谷垣戦で二階堂を指揮、江渡貝宅での師団戦で「外へ出るな撃たれるぞ」「逃げるなら今しかない!!急げ!!」、偽アイヌ戦で「銃から目を話すな一等卒ッ (これは指示というより叱咤ですが)」 白石奪還編・鯉登戦での「受けるなッ」、大雪山での「急げッ大雪山を超えて逃げるしかない」「風をよける場所を探すんだ!!」「白石を捕まえろ低体温症で錯乱しているッ (口調と”低体温症”という単語からおそらく尾形のセリフだと予想します)」、都丹戦での「走れ」「奥へ!!」、樺太国境付近戦での「トナカイを止めるなッこのままいけ」 「伏せろアシリパ」「いまだッ行け!!」等々、挙げた場面以外にも数多くのシーンで見受けられます。 6巻の茨戸編での戦闘はその最たるもので、「通りを斜めに横断するな!!」など戦術をまるで持たないヤクザ達をたった一人で指揮しています。尾形好きにはたまらない回です。
このように戦闘に参加しているときの彼は指示を出していることが大変多いのですが、ただ戦争帰りの兵士だから、というのも大きな理由なのでしょうが、 それだけにしては描写が多いように見えます。
”Past”で後述しますが、尾形の父親は陸軍中将で優秀な軍人であり、尾形の母親が身ごもった時にも既に中佐の位に就いて兵達を指揮する立場にいました。 これらのシーンは、尾形がその「上に立つ者の性質」を色濃く受け継いだことを示唆した描写なのかもしれません。
補足ですが、尾形百之助は並外れた「忍耐力」の持ち主でもあり、マイナス30度はあると予想される北の冬で、一晩火も起こさず一歩も動かずにいられる描写が2回もあります。
以上のような彼の卓出した戦闘能力は、非戦闘時の物静かな雰囲気とのギャップもあり、尾形百之助を強烈に魅力的なキャラクターにしている大変に大きい要素だと言えるのです。かっこいいよ。


Action / 行動が愛しい

”能力がすごい”では尾形の格好よさを語りましたが、ここでは、尾形百之助がいかに可愛いかを語らせていただきます。
 それは、ひと言、「猫ちゃん!!!」らしさに尽きます。
彼の”猫っぽさ”が現れているシーンを挙げれば枚挙にいとまがありません。
・いつの間にか高いところに居る(狙撃手の習性なのでしょうがそれにしても猫ちゃん)
・まわりに流されず嫌なことは断る「いや俺はいらん」「毒が入ったら嫌だから・・・」
・獲れたネズミを凝視する
・狩りを楽しむ(谷垣や蝶や鈴川やトナカイ もろもろ)

そしてさらに愛らしいところを付け加えるとすれば、それはやはり尾形の「詰めの甘さ」でしょう。それはマンションのベランダからベランダへ 飛び移ろうとして落下してしまう猫ちゃんを思わせる可愛らしさです。
例えば、自ら「谷垣狩りだぜ」と称した戦いで谷垣は撃ってこれないと高をくくって両腕を広げたところを”谷垣”に狙撃されたり、 「月島は長風呂だから」とまた高をくくって江渡貝宅に侵入、室内の作品や偽人皮のサンプルに気を取られ、江渡貝くんの逃走と、 戻った月島軍曹の気配(侵入者に気が付いた月島軍曹も気配を消していたと思われますが)に気が付かずに結局”月島軍曹”にムンキックで吹っ飛ばされたり、 偽アイヌのコタンでは、江渡貝宅で一度杉元が助けてくれた事に対して「俺も別に好きじゃねぇぜ杉元・・・」と言って人知れず杉元を狙う敵を仕留め、 借りを返したつもりになって?ニヤッとするも、一番逃がしちゃいけない鈴川がすぐ後ろで逃げているのに気が付かなかったり・・・
大体の戦いで大なり小なりどこか抜けたところがあります。ですが尾形が悪びれるシーンは一切ありません。何があっても常に上から目線を忘れないのも 尾形の大きな特徴であり魅力です。誰に対しても分け隔てなく偉そうなところが(過去の回想シーンでの鶴見に対する律儀な態度は希少) 猫ちゃんらしくて、とてもとても可愛らしいですね。一生推せますね。
どうしてこんなに”猫”が全面に押し出されているかと言えば、「山猫スナイパー」という設定、の一言に尽きるでしょう。では、どうして「山猫」なのか? それは”Past”で書かせていただいています。そちらでまたお会いしましょう。

Past / ダークな過去

さてついに尾形の過去について触れていこうと思います。個人的に、尾形沼にハマったきっかけが彼の過去編をアニメで見たことだったので思い入れがあります。 多分に考察が混じっておりますので、ご注意ください。

我らが尾形百之助の暗い過去とは、単刀直入に言うと”身内殺し”であります。彼は幼少期に実の母親を、青年期に実の弟(異母兄弟)と実の父親をその手で殺しています。

◆尾形の出生と母親が狂うまで◆
彼の出生について、第七師団長である花沢幸次郎中将が”妾”との間に作った子供、と鶴見はそう言っていますが、個人的に「妾」という表現に違和感があります。 実際はどのような状況だったのでしょうか。

「当時 父上は近衛歩兵第一聯隊長陸軍中佐 近衛は天皇に直結する軍ですからね・・・世間体を考えれば浅草の芸者とその子供は疎ましく感じたでしょう(11巻抜粋)」

本妻との間に男児(花沢勇作)が生まれると花沢幸次郎は尾形親子に近づかなくなり、尾形母子は茨城の実家へ”祖母によって連れ戻され”ます。 (おそらく自力で里帰りができないこの時点で尾形の母親は気が触れていたのではないでしょうか)茨城の実家に帰っても、気が狂ったまま 花沢幸次郎を想いあんこう鍋を毎日作り続ける尾形母。男に捨てられたくらいで、そこまで狂うものなのでしょうか?
明治時代、芸者が社会的地位の高い男性の正妻になることは珍しくなかった上に、「妾」とは、関係を隠すような”不倫”とは全く違い、”正妻が公認する愛人”を指しました。 尾形母にも正妻になるチャンスがありましたし、そこまでではなくとも、長子を産んだ以上、妾として幸次郎に堂々と(それも公的に)世話をしてもらう義理があったのです。
しかし、花沢幸次郎は尾形母子を放置して寄り付きませんでした。これは幸次郎にとって尾形母が「妾ですらない」という事を意味します。明治当時の芸者は体を売る娼妓(遊女)とはっきり区別され 、「芸は売っても体は売らぬ」心意気を持ち、身を許すは決まった”旦那(男性)ただ一人に”という気概があったそうで、とても誇り高い女性達だったようです。 そんな明治の芸者である尾形母が、子供まで身ごもった(しかも長男!)のにも関わらず無視される、というのは、女としてだけでなくプロの芸者としての 誇り・社会的立場も傷つけられたことになるのではないでしょうか。きっと同業者から後ろ指を指されるのですからね。
いえ、同業者だけではありません。「客に体を許した芸者」の隠語で、芸事の関係者でなくとも口をつく言葉があります。「山猫」です。
・・・尾形の母はどんなに心を踏みにじられたことでしょうね。想像するだけで胸が詰まるものがあります。気が狂ってもおかしくなかったと思われます。

◆母殺し◆
「貴様も頭のおかしくなった母親が哀れで疎ましかったのだろう?私と同じじゃっ」
「子供は 親を選べません」

毎日毎日、幸次郎が褒めたあんこう鍋を作ろうとする母を見かねて、あんこう鍋以外の料理を作ってもらおうと、自ら鳥を撃ちおとして差し出す尾形少年。背格好を見るに13歳くらいでしょうか。 (アシリパさんと同じ年頃なのは対比させるために野田先生がわざとそうしたのだと思っています。)
鳥を打ち落とすまで、どれほど練習をしたことでしょう。一日や二日では無理でしょう、並大抵の努力では命中させることもできないはずです。 母に正気に戻ってほしい、そこに居もしない男の為ではなく、息子の自分の為を想った料理を食べさせてほしい、会いに来ない男ではなく、息子である自分を見てほしい 、その一心で頑張ったと思われます。
しかし尾形の母親は、あんこう鍋を作り続けます。撃ち落としてきた鳥を差し出す息子を、振り返りもせずに背を向け一人どこかを見つづけます。まるで”尾形百之助”はこの世に存在しないかのように。
そしてついに尾形少年は母親を計画的に毒殺しました。計画を邪魔しそうな祖父母の留守をねらい、殺鼠剤を”あんこう鍋”に入れて。 動機は”もし葬式に父が来たら母は愛した人に会えるから”。
(これは個人的な印象ですが、そこには母親でありながら自分を顧みない事に対する母親への”あてつけ”のようなものを感じます。 尾形少年の心には憎しみの類もあったのではないでしょうか。「そんなに会いたいなら、会わせてあげるよ、その”あんこう鍋”で」とでも言うような。 少なくとも「母親がかわいそうだから」といった慈愛の気持ちだけでは殺害するまでに至らなかったと思います。)
母親を毒殺したことを幸次郎に告白した時、「母親が哀れで疎ましかったのだろう?」に対して、尾形はひと言も否定しませんでした。

◆弟殺し◆
「あの屈託のない笑顔・・・・・・」
「「ああ これが両親から祝福されて生まれた子供なのだ・・・・・・」と心底納得しました」

自分の存在が両親から無視される原因となった人物が、自分に足りないものを全て持っていて、ある日突然、目の前に現れたらどんな気持ちになるのでしょう。
軍に所属した尾形青年が殺したその青年・花沢勇作は父・花沢幸次郎とその本妻の子供で、父・幸次郎が尾形母子を見捨てるキッカケになった人物です。
彼は軍人となり小尉の位で尾形のいる第七師団に配属されました。勇作の誕生が尾形の人生に悲劇をもたらしましたが、それは勇作本人の意思とは関係なかったことや、 事の経緯を全く知らなかった(”知らない”という描写がないので”知っていた”かもしれない)ためか、勇作は腹違いとはいえ”実の兄”が同じ隊にいると知ると 尾形を「兄様」と呼び「兄弟が欲しかった」と一方的に尾形を慕い近づきます。勇作と接することで、誕生を”祝福”されなかった自分と”祝福”されて育った彼とを比べ格差を確認する尾形。
「眉目秀麗・成績優秀・品行方正」の人物で童貞の勇作は、戦場の花形である”騎手”に選ばれた上に、部下からも慕われ、その稀有な人徳から鶴見の暗殺リストからも外されます。
尾形は勇作が戦場で敵を一人も殺していない、剣を抜くことすらしていないことに気が付き、ロシア人捕虜を用意して勇作を呼び出し「騎手であることを言い訳に手を汚したくないのか、 違うなら捕虜をこの場で殺してみせてください」と本人に問いただします。しかし勇作から、「お前だけは殺すな」と父・幸次郎から言いつけられていると告白され、言葉を失います。 さらに「人を殺さないことで兵たちを罪悪感から救う”偶像”になれ」とも言いつけられているとの勇作に、尾形は「罪悪感なんてみんな感じていない、みんな俺と同じはずだ」と反論するも 勇作に突然抱きしめられ、涙ながらに訴えられます。

「兄様はけしてそんな人じゃない きっと分かる日が来ます」「人を殺して罪悪感を微塵も感じない人間がこの世にいて良いはずがないのです」

この問答の後、尾形は戦闘に紛れて、勇作の後頭部を狙撃し殺害するのでした。

尾形の言動には矛盾があると思います。「自分だけ人殺しをしないつもりなのか」と責めるということは、尾形にとって”人殺し”は”やりたくないこと”なのではないか。 又は”やってはいけないこと”なのではないか。「みんなやりたくないのにやってる。お前だけずるいぞ」という事なのではないか。
では何故”人殺し=やりたくないこと”なのか? それは”人殺し=「罪」”だと認識しているからではないのか。
そしてその認識を人は「罪悪感」と呼ぶのではないのか?つまり、戦場で人を殺さない勇作を責める尾形こそ 「人殺し」に対して「罪悪感」を感じているのではないのか?しかし尾形は「罪悪感なんて感じていない」と主張する。 とても支離滅裂な印象を受けたシーンでした。本当は罪悪感を人一倍抱えているのに、それを押し殺している?勇作が尾形を抱きしめたのもそんな尾形を見て 胸に来る何かがあったからなのかもしれません。
殺害に至る動悸が感情的なものに見えるやり取りでしたが何を考えて勇作を撃ったのかは<父殺し>で後述しましょう。

◆父殺し◆
「今度 鶴見中尉に会ったら・・・ 「満鉄」のことを聞いてみろ」

「中央(大日本帝国政府)から203高地で多数の戦死者を出した事の責任を押し付けられ、日露戦争の後自宅で自刃」という鶴見の筋書きで尾形が 実の父・花沢幸次郎を自刃に見せかけ刺殺しました。
刺した後か前か定かではありませんが血まみれの布で全身を拘束した父親に、少年期に母を毒殺するに至った経緯、203高地で弟の勇作を殺したことを告白する尾形。 勇作の殺害の動悸について「勇作の戦死を聞いた父上は俺の事を思い出し愛しくなるのではないかと思い殺した」と語る尾形に幸次郎は「呪われろ」と言いました。
親に「祝」福されることに拘った尾形に「呪」われろと、似て非なる、むしろ真逆の言葉を聞かせるとは、野田先生も本当に酷なことをなさる。

幸次郎を殺害した足でそのまま乗った馬車には鶴見がいました。今後の第七師団の方針を語り、「よくやった百之助」と尾形を労いますが、尾形は微笑を浮かべるだけで黙っています。 そして内心「「たらし」めが・・・・・・」と毒づいているのです。103話のこの描写で、尾形はこのとき鶴見に心を許している訳ではないと印象づきましたが、 210話で新たな尾形の真意の手がかりが提供されました。
鯉登少尉に対して発せられた「満鉄」という単語です。
「満鉄」とは南満州鉄道株式会社の事で、日本軍による満洲経営の中核を担う会社です(日露戦争中の満州軍野戦鉄道提理部を母体に、日本政府が1906年(日露戦争終結の翌年)に 半官半民の特殊会社として設立された)。満鉄の目的は「鉄道その他経営による満州への領土拡大」ですが、鯉登少尉は、「ただ一人この満鉄計画に反対していた人物がいた」と言うのです。 その人物は尾形の父・花沢幸次郎でした。
領土拡大のために満州が欲しい中央、現地で戦死した戦友たちを”日本の領土で眠っている”事にしたい鶴見、ただ一人「満鉄計画」に批判的な意見を持つ鶴見の目の上のたん瘤(上司)、花沢中将。
鶴見は尾形に、「花沢中将の自刃は中央のせいにしてお前を担ぎ上げたい」と言って花沢中将を殺害させましたが、「満鉄計画の為に殺してほしい」ことは 尾形には伏せていたのでしょう。尾形は満鉄計画のことも全て知っていたからこそ「(いやいや本当は自分の野望の為に殺させたんでしょうが)たらしめが」 と内心毒づいたのだとしたら納得がいきます。いや、いかない。鶴見の魂胆を知っていたのだとしたら、尾形が花沢を殺した動悸は何だったのか。 上官の鶴見に命令されたから兵士としての職務を遂行しただけなのか。


211話現在、 「満鉄」と「尾形親子」の関係については鯉登少尉の推理しか描写されておらず、真相は未だに明かされていません。
ネット上では「花沢幸次郎は、鶴見や、 そもそも戦争自体から 尾形母子を遠ざけるためにわざと母子と疎遠になった」「本当に愛していたのは本妻ではなく尾形母のほうだった」という考察まで出ていてとてもソワソワしています。


尾形の目的がいまだに明かされていないのは、同じくまだ明かされていないゴールデンカムイ本筋の謎と直結しているからだと予想していますが、 なんにせよこの孤独な男が元気でいてくれることを願ってやみません。元気になって戻って来いよ、尾形。



CV.津田健次郎

日本の俳優、声優、ナレーター。1971年6月11日生まれ。大阪府出身。身長170cm。血液型はO型。
大人の雰囲気たっぷりな重低音ボイスからコミカルなキャラクター用のひょうきんな声色まで、幅広く声帯を使い分ける手練れの声優の一人。
作画の向こうでキャラクターが抱えている感情を、声と息遣いで2400%ビシビシ伝えてきてくれ、アニメ『ゴールデンカムイ』では
表情筋が終始死に気味な尾形の、喜怒哀楽やそこに収まりきっていないであろう気持ちを、腰にクル雄みボイス(ブレス)で見事に表現して下さっている。
俳優として数多くの舞台・テレビドラマ・映画に出演されており(元々俳優さん)、ご自身もスタイル抜群のスラリとした極イケメンである。

ご覧いただき、ありがとうございました